イラン戦争で注目の防衛・建設関連15銘柄
はじめに
2026年2月28日、米国がイスラエルとともにイランへの軍事攻撃を開始しました。この事態を受け、日経平均株価は3月4日に前日比2,033円安という史上5番目の下げ幅を記録しました。一方で、防衛関連株や建設関連株には資金が流入し、急騰する銘柄が相次いでいます。
年初から2月末まで日経平均はプラス16.9%と大きく上昇していましたが、イラン情勢の緊迫化が市場環境を一変させました。この記事では、地政学リスクの高まりのなかで注目が集まる防衛関連銘柄と建設関連銘柄について、その背景と投資のポイントを解説します。
防衛関連銘柄が急騰する背景
日本の防衛予算は過去最大の9兆円規模
2026年度の防衛関係予算は9兆353億円と、12年連続で過去最大を更新しました。GDP比では2.0%に到達し、政府は今後さらなる増額を検討しています。無人機を使った沿岸防衛体制「シールド」の構築に1,001億円が充てられるなど、具体的な装備調達が加速しています。
イラン攻撃開始後、日本でも安全保障への関心が一段と高まりました。高市首相の下で防衛費のGDP比3%への引き上げも議論されており、防衛関連企業への追い風が長期的に続く構造が形成されつつあります。
注目の防衛関連銘柄
防衛関連の中核銘柄として注目されるのが、総合重機大手3社です。三菱重工業は国産ミサイルの増産期待から圧倒的な買い注文が入り、イラン攻撃直後の下落局面でも早期に反発しました。川崎重工業は潜水艦や航空機の製造で防衛省との取引が厚く、IHIは航空エンジンや宇宙関連で存在感を示しています。
中小型の防衛関連株も軒並み上昇しています。レーダーや通信機器を手がける企業、サイバーセキュリティ関連企業にも資金が流入し、防衛セクター全体が「一斉蜂起」の展開となりました。
建設関連銘柄にも波及する地政学マネー
国土強靭化と防衛の接点
建設関連銘柄への注目は、単なる公共事業の増加だけではありません。防衛予算の財源として建設国債が約6,000億円活用されており、国土強靭化と防衛力強化が予算面で結びついています。
特に注目されるのが港湾土木です。日本の地政学的リスクは海にあるため、港湾建設が防衛関連として再評価されています。五洋建設のような港湾土木に強い企業は、国土強靭化と防衛の両方のテーマから恩恵を受ける銘柄として位置づけられています。
建設株が中核となるインフレ相場
建設セクターは、インフレ環境下で実物資産への投資が増加する局面で注目される業種です。大成建設、鹿島建設、大林組、清水建設といったスーパーゼネコンは、国内の再開発案件と防衛関連のインフラ整備の両方から受注が期待されます。
イラン情勢の長期化に伴い原油価格が上昇すれば、中東での復興需要も将来的に見込まれます。ゼネコン各社は海外事業の拡大にも取り組んでおり、地政学リスクが長期化するシナリオでは、防衛インフラ関連の受注増加が収益の押し上げ要因となります。
注意点・展望
防衛・建設関連銘柄への投資には、いくつかの注意点があります。まず、地政学リスクに基づく株価上昇は短期的なものになりやすいという点です。イラン情勢が早期に収束した場合、防衛関連株は急落するリスクがあります。
原油価格の動向も重要です。WTI先物価格は1バレル67ドル台まで上昇していますが、ホルムズ海峡が封鎖される事態になれば90ドル台まで上昇するとの予測もあります。原油高は日本経済全体にはマイナスですが、資源関連株や防衛関連株にはプラスに働く複雑な構図です。
SBI証券の分析では、イランをめぐるシナリオとして「短期収束」「長期化」「エスカレーション」の3パターンが示されており、シナリオごとに有望な銘柄が異なります。投資判断にあたっては、情勢の推移を冷静に見極めることが重要です。
長期的には、日本の防衛予算の構造的な増額トレンドが防衛・建設関連銘柄の下支え要因となります。イラン情勢に限らず、安全保障環境の変化が日本株市場のセクター構成に持続的な影響を与える可能性が高いです。
まとめ
米国・イスラエルによるイラン攻撃は、日本株市場に大きな衝撃を与えると同時に、防衛関連株と建設関連株への注目を急速に高めています。防衛予算が過去最大の9兆円規模に達し、国土強靭化と防衛力強化が予算面で結びつくなか、三菱重工業をはじめとする防衛関連銘柄や、港湾土木に強い建設関連銘柄が買われています。
ただし、地政学リスクに基づく投資は情勢変化による急落リスクを伴います。短期的な値動きに振り回されず、防衛予算の構造的な増額という長期トレンドを見据えた銘柄選定が求められます。
参考資料:
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