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四季報春号の来期営業増益率ランキングで注目すべき銘柄

by 高橋 翔平
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はじめに

2026年3月18日、投資家にとっておなじみの『会社四季報』2026年2集(春号)が発売されました。全上場3,858社を独自予想でカバーする四季報の中でも、特に注目を集めるのが巻頭に掲載される「来期営業増益率ランキング」です。

中東情勢の不安定化を受けて日本株は大きく乱高下しており、3月4日には日経平均株価が前日比3.6%安の54,245円まで急落する場面もありました。こうした不透明な相場環境だからこそ、来期の業績成長が見込まれる銘柄を見極めることが重要です。本記事では、四季報春号のランキングの読み方と、注目すべきポイントを解説します。

四季報春号の特徴と来期増益率ランキング

春号ならではの「来期先取り予想」

四季報春号は、3月期決算企業の第3四半期(10〜12月期)決算実績を踏まえて編集されます。業界担当記者が今期の業績予想をアップデートするとともに、来期(2027年3月期)の見通しを先取りして予想する点が最大の特徴です。

春号の発売から数週間後には本決算が発表されるため、投資家にとっては来期の数字に注目する価値が高い号と言えます。過去のデータでは、四季報の見出しが「最高益」の銘柄は発売後3カ月間で平均7.9%のリターンを記録しており、「連続増配」(6.4%)、「増額」(5.1%)と続きます。

ランキングの選定基準

来期営業増益率ランキングは、四季報の独自予想に基づき、来期の営業利益増加率が高い順に並べたものです。ただし、すべての企業が対象ではなく、一定の条件が設けられています。

具体的には、今期に5%を超える営業赤字が見込まれる企業は除外されます。また、今期のROE(自己資本利益率)が5%以上の企業に限定されています。来期の営業利益見通しが30億円以上という規模要件もあります。これらのフィルターにより、一時的な要因による極端な増益率を排除し、実質的な成長力を持つ企業を浮き彫りにしています。

注目銘柄のポイント

半導体関連が上位にランクイン

今号のランキングでは、半導体メーカーが上位に名を連ねています。半導体業界はAI関連需要の拡大を追い風に、設備投資の回復やデータセンター向け需要の増加が見込まれています。

SBI証券のレポートによると、半導体関連銘柄は四半期ベースで大幅増益を達成している中小型株も多く、来期にかけてさらなる業績拡大が期待されます。グローバルなAI投資の加速が、日本の半導体関連企業にも恩恵をもたらす構図です。

医薬品セクターの躍進

ランキング上位には医薬品メーカーも入っています。特にM&A(合併・買収)による事業規模の拡大で、来期の業績が大幅に伸びる企業が注目されています。

製薬業界では、買収した事業が通年でフル貢献する初年度となる企業があり、売上・利益の両面で大きな成長が見込まれます。新薬のパイプラインに加え、M&Aによるポートフォリオ拡充が成長ドライバーとなっています。

重電・FA関連の好調

電力システム事業やFA(ファクトリーオートメーション)関連の企業も来期の増益幅が大きい銘柄として注目されています。電力インフラの更新需要やAIデータセンター向けの電力需要増加が追い風となっています。

加えて、前期に計上した希望退職費用などの一時的なコストがなくなることで、費用面からも利益が押し上げられるケースがあります。増収効果とコスト削減の両面から、営業利益が大幅に拡大する見通しです。

中東情勢と四季報ランキングの活用法

相場の乱高下をどう捉えるか

2026年2月末から3月にかけて、中東情勢の急変により日本株は大きく下落しました。日経平均は6万円目前から急落し、高値からの下落幅は一時5,000円を超えました。ホルムズ海峡の実質封鎖懸念から原油価格が急騰し、リスク回避の動きが広がったためです。

しかし、3月第3週以降は下値固めの展開が見込まれており、中長期的な視点で業績好調な銘柄に注目する好機とも言えます。株価の下落局面は、来期の成長が見込まれる銘柄を割安に仕込むチャンスになり得ます。

ランキングを投資に活かすポイント

四季報の増益率ランキングを投資判断に活用する際は、いくつかの視点が重要です。

まず、1期だけで判断しないことです。来期の増益率が高くても、それが一時的な要因によるものか、持続的な成長によるものかを見極める必要があります。時系列で売上と利益の推移を確認し、増収増益が続いている企業を優先しましょう。

次に、増益の「質」を見ることです。コスト削減だけでなく、売上成長を伴う増益かどうかが重要です。トップライン(売上高)の成長を伴う増益は、より持続的な利益拡大が期待できます。

さらに、業界全体のトレンドと照合することも大切です。個別企業の業績だけでなく、半導体、医薬品、電力インフラなど、業界全体の成長トレンドと合致しているかを確認します。

注意点と今後の展望

ランキング上位銘柄への投資リスク

営業増益率ランキングはあくまで「予想」に基づくものです。四季報の予想精度は高いとされますが、外部環境の変化によって実際の業績が大きく異なる可能性もあります。

特に現在は、中東情勢の先行きが不透明であり、原油価格の変動やサプライチェーンへの影響が企業業績を左右しかねません。ランキングを参考にしつつも、分散投資を心がけることが賢明です。

本決算シーズンへの備え

春号の発売後、4月下旬から5月にかけて3月期決算企業の本決算が相次ぎます。四季報の予想と会社側の来期ガイダンスを比較することで、サプライズの有無を判断する材料が得られます。四季報予想を上回るガイダンスが出れば株価の上昇要因となり、下回れば失望売りの要因となります。

まとめ

『会社四季報』2026年春号の来期営業増益率ランキングは、不透明な相場環境の中で成長銘柄を発掘するための有力なツールです。半導体、医薬品、重電・FAなど、来期に大幅な業績拡大が見込まれるセクターが上位に並んでいます。

中東情勢による株価下落は、業績好調な銘柄を割安に拾う好機にもなり得ます。ランキングを参考にしつつ、増益の持続性やリスク要因を精査したうえで、4月以降の本決算シーズンに備えた銘柄選定を進めてみてはいかがでしょうか。

参考資料:

高橋 翔平

株式・投資戦略

株式市場の構造変化と投資戦略を、個人投資家の視点から分析。企業の財務データを読み解き、マーケットの本質に迫る。

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