Z世代が注目する高コスパ留学先と最新トレンド
Z世代留学で進む高コスパ志向
海外留学の選び方が大きく変わりつつあります。かつては「留学=英語圏」というイメージが一般的でしたが、Z世代(1990年代後半〜2010年代前半生まれ)を中心に、留学先の選択基準が多様化しています。
特に注目されているのが「コストパフォーマンス」と「語学+α」の視点です。円安の影響で米国や英国への留学費用が高騰する中、アジアやヨーロッパの新興留学先に目を向ける若者が増えています。文部科学省の調査によると、2023年度の日本人学生の海外留学者数は過去最多を更新し、特にアジア圏への留学が急増しました。
この記事では、Z世代が選ぶ高コスパな留学先の実態と、従来の語学留学とは異なる「テーマ型留学」のトレンドを詳しく解説します。
Z世代が重視する留学先の選択基準
費用対効果が最優先に
Z世代の留学先選びで最も重視されているのが「コストパフォーマンス」です。奨学金や助成金の活用はもちろん、学費そのものが安い国や、現地の物価が低い国を選ぶ傾向が強まっています。
従来、日本人留学生の主要な渡航先はアメリカ、カナダ、オーストラリアといった英語圏が中心でした。しかし、円安の長期化により、米国の大学の年間授業料は日本円換算で数百万円に達するケースも珍しくありません。こうした背景から、同じ英語を学ぶにしても、より費用を抑えられる国への注目度が高まっています。
実際、キーボードアプリ「Simeji」が実施したZ世代向け調査では「留学してみたい国」の1位に韓国がランクインしました。K-POPや韓国コスメといった文化的な親しみやすさに加え、時差がほぼなく、東京から約3時間でアクセスできる距離感も人気の理由です。
語学+αの「テーマ型留学」が台頭
もう一つの大きなトレンドが「テーマ型留学」です。単に語学を学ぶだけでなく、プログラミング、ビジネススキル、ダンス、ボランティア活動など、特定のテーマと語学学習を組み合わせたプログラムが急速に増えています。
世界最大級の語学教育機関EFをはじめ、多くの留学エージェントが語学+インターンシップや語学+資格取得などの複合プログラムを提供しています。18〜25歳向けのプログラムでは、世界50都市以上で語学学習とキャリア体験を同時に進められるコースが人気を集めています。
Z世代にとって留学は「語学力の向上」だけでなく、「将来のキャリアに直結する経験」として位置づけられています。就職活動での差別化を意識し、目的意識を持った留学を志向する層が増えているのです。
コスパで選ぶ注目の留学先5選
フィリピン:マンツーマン英語教育の宝庫
留学費用の安さで圧倒的な人気を誇るのがフィリピンです。1か月の留学費用は約38万円、3か月でも約84万円と、欧米圏の半額以下で済みます。物価は日本のおよそ5分の1で、日々の生活費を大幅に抑えられるのが特徴です。
フィリピン留学の最大の魅力は、1日6〜8時間のマンツーマンレッスンが標準的に受けられる点です。欧米のグループレッスン中心の語学学校と比べ、スピーキング力やリスニング力を短期間で集中的に鍛えることができます。フィリピンの英語力はアジアでもトップクラスであり、質の高い英語教育を低コストで受けられる国として定評があります。
マレーシア:英語×多文化体験
マレーシアも費用面で注目の留学先です。国立大学なら年間の学費は約20万円、私立大学でも約80万円と非常にリーズナブルです。語学学校の場合は月額4万〜11万円程度で、家賃も2万〜5万円ほどに抑えられます。
マレーシアの大学の多くは英語で授業を行っており、マレー系・中華系・インド系が共存する多文化社会で国際感覚を養えるのも大きなメリットです。英国やオーストラリアの大学との提携プログラムも充実しており、マレーシアで前半を学び、後半を提携先の欧米大学で過ごす「ツイニングプログラム」も人気があります。
マルタ:ヨーロッパ留学の穴場
地中海に浮かぶ小さな島国マルタは、ヨーロッパで英語を学びたいZ世代にとって最適な選択肢です。語学学校の学費は1か月あたり約17万円と、英国やアイルランドと比べて格段に安く済みます。
マルタの公用語は英語とマルタ語で、日常的に英語が通じる環境が整っています。EU加盟国であるため、近隣のイタリアやフランスへ週末旅行に出かけることも容易です。温暖な気候とリゾート的な雰囲気も相まって、「学び」と「体験」を両立したい若者に支持されています。
ドイツ:学費無料の大学教育
コスパという観点で見逃せないのがドイツです。多くの公立大学が学費無料(一部の州を除く)で、補助付き学生寮の家賃も低く抑えられています。生活費を含めた年間の実質負担はおよそ193万円と試算されており、学生ビザで週30時間前後のアルバイトも可能です。
英語で受講できるプログラムも増えており、工学やビジネスなどの分野では世界的に評価の高い教育を受けることができます。将来ヨーロッパでのキャリアを視野に入れるZ世代にとって、ドイツ留学はコストを抑えつつ高い教育レベルを享受できる選択肢です。
韓国:文化的親和性の高い近距離留学
前述の通り、Z世代に最も人気の高い留学先が韓国です。2023年度の日本人留学生数は8,384人で、前年度比79.2%増と急成長しています。K-POP、韓国ドラマ、韓国コスメなどの文化的影響が留学動機に直結しているのが特徴です。
費用面では、語学堂(大学付設の語学学校)の1学期(約10週間)の学費が15万〜25万円程度と手頃です。ソウルの物価は東京とほぼ同水準ですが、地方都市を選べばさらに費用を抑えられます。日本からの距離が近く、往復の航空券も数万円で済むため、短期留学のハードルが低い点も支持される理由です。
コスパ留学のリスクと2026年以降の新興先
コスパだけで選ぶリスク
費用の安さだけで留学先を決めると、期待した効果が得られない場合もあります。例えば、フィリピンでは英語のアクセントが欧米と異なる点を気にする声もあり、マルタでは夏季にリゾート客が急増して学習環境が変化することもあります。留学の目的を明確にし、費用以外の要素も総合的に判断することが大切です。
今後の見通し
円安基調が続く限り、コスパ重視の留学先選びはさらに加速するとみられます。文部科学省の「トビタテ!留学JAPAN」や各種奨学金制度の充実により、経済的な負担を軽減する支援策も拡大傾向にあります。
また、2026年以降は東南アジアやアフリカなど、これまで留学先として注目されなかった地域への関心も高まると予想されます。ポルトガルやハンガリーなど、英語で学べるプログラムを低コストで提供する欧州諸国も、新たなコスパ留学先として台頭しつつあります。
費用対効果と語学+αで選ぶ留学設計
Z世代の留学先選びは、「費用対効果」と「語学+αの学び」を軸に大きく変化しています。フィリピンやマレーシアといったアジア圏、マルタやドイツといったヨーロッパの穴場など、米国以外にもコスパに優れた選択肢は豊富にあります。
留学を検討する際は、費用だけでなく、自分が何を学びたいのか、将来どのようなキャリアを描きたいのかを明確にしたうえで、最適な留学先を選ぶことが重要です。テーマ型留学の選択肢が広がる今、自分らしい留学プランを設計する絶好のタイミングといえるでしょう。
参考資料:
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